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アイマス1時間SS 「普段と違う君が見たい」

アイマス1時間ss参加完了ー。
今回使用したテーマは「浴衣」。
テーマアイドルは「秋月 律子」。
G4Uの前にはこんな一幕があったのではないかなという勝手な補完ストーリー。
何気にりっちゃんの浴衣ってVol9が初収録なんですよねー。
 
 
 
 
 
 
それはふと思いついた疑問。
アイドル達が仕事で出払って、事務員さんが買出しに。社長が不在であったこともあって事務所にはプロデューサーが二人だけ。
お互いに人気アイドルを抱えていることから多忙を極めていることもあって、黙々と仕事を進めていたことも関係あったかもしれない。
静か過ぎる空気を変えるという意味でも、仕事以外のことを考えて一息つくという意味でも何か口を開きたい。そんな気分だった。

「俺さ、そういえば律子の浴衣姿って見たことないよな。」




普段と違う君が見たい




「急になんです?そんなこと言って。」

俺の言葉を受けた同僚プロデューサー、秋月 律子は案の定手元の資料から目も離さずにそう返してきた。
返事をくれた彼女の姿はいつも通りのスーツ姿。黒くしっかりと決まったその姿は本人の容姿と合わせて「できる女」を演出している。
実際、彼女は「できる女」でプロデュースだけでなく細々とした事務関係をこなし、更には不定期ながらもアイドル活動までしてみせるのだから驚かされる。
ただ、アイドル活動をしている時以外、彼女が着ているのは殆ど決まってスーツだ。
冬場にコートを着てくることはあっても、私服で事務所に現れたことは殆どない。
彼女が「プロデューサー」である以上当然と言えば当然なのだが、その一方で彼女は所属アイドル達と同年代だ。
アイドル達の多彩な私服姿を見ているとその中に混ざるスーツ姿に違和感を感じることがままあった。

「いや、別に深い理由ないよ。たださ、今度の千早の仕事がこんなのだからさ。」

先刻投げかけられた質問に答える為に、手元で確認していた資料を彼女の前に出す。
そこには近々行われる花火大会の日程と会場に設けられた関係者席でアイドルが一人グラビア撮影を行う予定がまとめられていた。
資料を目の前に持ってこられては無視する訳にも行かなかったらしい。
彼女は差し出された資料を受け取ると軽く目を通した。

「……へぇ、花火大会で浴衣のグラビア撮影ですか。しかも、あの千早が。どんな手を使ったんです?」

そう問いかけてくる目は「プロデューサー」の目だ。
こちらのプロデュースの手腕を参考にしたいという意図がはっきりと見て取れる。

「いや、なに。そんなに難しいことじゃなかったよ。最近の千早は歌以外の仕事にも結構積極的に取り組んでくれるからね。
 グラビアだってあまり露骨なものじゃなければ、そうそう嫌がらないよ。まぁ、今回のは足がかり程度に考えてるけど。」

「ふふっ、なるほど。参考にさせてもらいます。で、この浴衣のお仕事のことを考えていたらさっきの発言に繋がったという訳?」

「まぁね。なんだかんだでうちのアイドル達は映画やら舞台やらで浴衣着る機会があったからさ。
 竜宮小町とも仕事が一緒になったこともあるし。ただ、そうなると律子の浴衣姿だけ見たことないなーとそう思っただけ。」

資料から目を離させられたことで一息つく心持ちになったのか、彼女が会話に乗ってくる。
ただ、その表情は訝しげなものであまりこの話題が歓迎されていないことは明らかだった。

「どうしてそんなこと気にするんです?」

「いや、だって見たいだろ。浴衣姿ってのはいいもんだ。」

「お断りです。私みたいな寸胴が着ても衣装映えしませんよ。」

「和服は寸胴の方が似合うんだぜ?あと、その台詞千早と雪歩の前で言うのはやめてくれよ。面倒なことになるから。」

「はいはい、この話はおしまい。ちゃっちゃと仕事片付けちゃいましょう。」

そう言ってこれ以上話に付き合う気はないと言わんばかりにまた資料に目を落としてしまう。
余程乗り気ではないのだろう。半ば無理矢理話を打ち切られてしまった。
最近はアイドル活動に関して他のアイドル達から知らされずにステージに上げられてしまうことにも慣れてきたのか、流し方がうまくなっている。
ただ。

「…………。」

机に向かう彼女の様子を窺う。
いつもアイドル活動をするのは周りに流されてということばかりなのだが、なんだかんだ言っても楽しんでいるように俺の目には映っている。
彼女がアイドル活動を能動的に行わないのはプロデューサーとしての考え方と自身に対する過小評価がおそらく根ざしているのだ。
ならば。

「……ふーむ。」

彼女が資料に集中していてよかった。きっと今の俺は口角が吊り上がっていただろうから。
これじゃあ双子のことを叱れないな、とそう思いながら返してもらった資料にペンを走らせた。



「……どういうことですか?これ。」

数日後。
千早の撮影が終わった後、花火大会会場で律子は見事な淡い緑色が綺麗な浴衣姿となっていた。
千早の撮影に少し助けが欲しいと頼んで現場に来てもらった後、用意していた浴衣に着替えてもらったのだ。
スタイリストさんも随分と乗り気で、意外に事が順調に進んだ結果だった。

「言ったろ?和服は寸胴の方が似合うって。その姿で一枚どう?」

そう言って俺は手元のカメラを彼女に向ける。
あまりプレッシャーをかけるようなことはしたくなかったので、構えるのは市販のデジタルカメラだ。
が、それでも彼女のお気には召さなかったらしい。
手を体の前で交差させるとレンズから逃げてしまった。

「何を考えてるんですか!?私はプロデューサーですよ!グラビア撮影なんかしません!」

「まぁまぁ、そんな大したもんじゃないからさ。ただの記念撮影。こんないいとこに陣取らせてもらってるんだ。写真の一つも撮って帰ろうぜ。」

そう言ってもう一度レンズの中に彼女を収める。
しかし、すぐに逃げられてしまう。
収める。逃げる。収める。逃げる。収める。逃げる。
見事なまでのいたちごっこだった。
これではまるで意味がない。仕方ないので少し息を吐いて俺はカメラを向けるのをやめた。
代わりに質問を一つ投げかける。

「そんなに嫌?」

「嫌です。」

「どうして?」

「……プロデューサーとして、中途半端なことはしたくないんです。」

返ってきた言葉はきっと嘘ではない。
でも、きっとそれだけでもないのだ。

「そっか。まぁ、俺個人としては律子の浴衣姿が見られたし、それでいいと言えばいいんだけどさ……」

彼女の全身を収める為に離していた距離を詰める。
次の言葉はもっと近くから伝えたかった。

「プロデューサーとしては律子のそういうところ、勿体無いと思うよ。」

目の前に立ち、頭の上に手を乗せる。
その行動に彼女は目を丸くする。返ってくる言葉も驚きからか少したどたどしいものだった。

「そ、そういうところって……?」

「自分のことを過小評価しちゃうところ。律子はさ、もっと自分に自信を持っていいと思うんだ。
 わかってるか?不定期にしかアイドル活動しないのに未だにちゃんとファンがいるって凄い事なんだぞ?」

「そんなことありませんよ。私は……」

「あるよ。俺が断言する。なんならプロデュースさせてくれれば、必ず結果を残してみせるよ。」

そこで頭から手を離す。
さっき立っていた位置まで戻ってカメラを構える。

「だからさ、一歩踏み出すつもりで写真撮ってみないか?まだアイドルとして、じゃなくてもいいからさ。」

返事があるまでシャッターは押さない。
レンズが向けられているが、今度は彼女が逃げる気配はなかった。

「……一枚だけですよ。一枚できちんと決めて下さい。」

「任せとけ。最近撮影の腕はメキメキ上昇中だ。」

そうして撮れた写真は未だにカメラの中に眠っている。
彼女が恥ずかしがって人に見せるのを嫌がっているからだ。
だが、いつの日か皆に見せることができるようになればとそう思う。
それぐらいカメラの液晶に映る彼女は綺麗に微笑んでいるのだから。
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ジャンルは遊戯王の架空戦記とノベマスです。
他にもお祭り参加作品がいくつか。
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アドレス出すことにしました。side_in_big◆yahoo.co.jpへ何かありましたらご連絡下さい。◆は@に変換お願いします。スカイプのIDなんかもこちらで。
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