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アイマス1時間SS 「ニュージェネレーション」

おめでとう、しまむらさん!
という訳で、今回はSRしまむらさんをテーマに一つ。
「ニュージェネレーション」がしまむらさんの頭にもつくとはなぁ。
使用テーマは「ロックンロール」。
 
 
 
 

「凄い凄い!凛ちゃんかっこいい!なんだかロックンロールやる人みたい!」

そう言いながら満面の笑顔がこちらに向けられる。

「ギター持ってるだけだよ。私は弾けない。でも、その感想は卯月らしいね。」

とても素朴な感想だったから、愛想のない私はついそう返してしまう。
すると、案の定さっきまでの笑顔はあっという間にふくれっ面に塗りかわってしまった。

渋谷 凛。
島村 卯月。
職業は二人揃って学生。
そして、駆け出しのアイドルでもある。




ニュージェネレーション





「おめでとう、卯月。」

撮影の帰り道、一緒に事務所に向かう卯月に私はそう声をかけた。
急に声をかけられたからか、聞き逃してしまったからか、いまいち理解していない顔をこちらに向けられてしまう。
愛想のない私がやりがちな失敗の一つだった。
だから、足りなかった言葉を補う為に言葉を続ける。

「今日の撮影、見学の為に来たってプロデューサーから聞いた。今度出すCDのジャケットの為だって。」

だから、おめでとう。
そう言葉を続けると、卯月はやっと合点がいった顔をした後、ありがとうと言ってまたにっこりと笑った。
島村 卯月。
私と同じ時期に事務所に所属した同期と言える存在だ。
そして、密かに私が尊敬する相手の一人でもある。
卯月はどちらかというとあまり煌びやかな方ではない。
あまり尖った性格をしている訳でもなく、人より秀でた特技がある訳でもない。
それが災いしたのか事務所の所属している期間が長いにも関わらず、後輩が先を越されるということがままあった。
衣装はステージ用のものが一着だけ。
ひたすらレッスンを重ねるか、後輩達の後ろで踊るか。そんな活動だった。
そして、遂には同期でこの愛想のない私でさえ、CDデビューを果たす。
辛くない筈がなかった。
苦しくない訳がなかった。
悲しくない訳がなかった。
実際に一度、私は事務所で泣いている卯月の声を聞いたことがある。
大きな声を上げて泣いていた訳ではない。でも、だからこそ辛さの伝わる泣き声だった。

にも関わらず。
卯月はアイドルを辞めなかった。

後ろから後輩達を支え、
レッスンで教えられることがあれば惜しげもなく教え、
事務所でも仕事先でもいつも笑顔。
レッスンにはいつも真摯に取り組み、
どんな仕事でも全力を尽くした。

そうしてアイドルを続けて、遂に卯月の努力が実る。
CDデビューという栄光を勝ち取ったのだ。

更にそれがきっかけになったのか、CDデビューが決まってすぐ体育系バラエティー番組に出演して奮闘。
その働きが認められ、一着しかなかったライブ衣装はその面影を残したまま新しい衣装に生まれ変わった。
今はまだ多くの人が「島村 卯月」の名を知らないけれど、似た道を歩んでいる私には予感がある。
新しい世代と言わんばかりに、きっと「島村 卯月」の名は多くの人に知られるようになるのだろう。

「ニュージェネレーション……か。本当は卯月の為の言葉だったのかもしれないね。」

そう思わず呟きを漏らしてしまうと、卯月はまたきょとんとして顔を覗き込んできた。
また言葉が足りなかったかと言葉を続ける。

「卯月の呼び名。この間の運動会から卯月はそう呼ばれてるんだよ。知らなかった?」

「ええっ!?だ、だって、『ニュージェネレーション』って言ったら凛ちゃんの呼び名じゃあ……。」

「そう。765プロが起こした久々のアイドルブーム。それを引き継ぐようにして現れたアイドル。だから、『ニュージェネレーション』。」

でも。
でも、それならばよりアイドル然としている卯月の方が適任だと卯月がそう呼ばれ始めた頃から密かに思っていた。
私は愛想がない。言葉が足りない。冷たいとか怖いとか言われることもある。
そんな私に比べて、卯月には笑顔がある。
特別な才能や性格を持っていないからこその親しみ易さがある。
勿論、自分が勝っている点もあるとは思うが、どちらがより「アイドル」なのかと聞いたならば、きっと多くの人が卯月と答えるだろう。
今まではちょっと埋もれてしまっていただけ。
どちらが「アイドル」を継ぐ「ニュージェネレーション」に相応しいのか。
それがずっとずっと頭の片隅に引っかかっている。

「そっか。それはすっごく嬉しいな。凛ちゃんと同じ呼び名だなんて。」

だけど、私の言葉を聞いた卯月は満面の笑みを浮かべていた。
そして、その笑みの理由を語り始めた。

「私ね、ずっと凛ちゃんこと追いかけてたの。デビューした時から。ううん、事務所に所属した時から。
 いつもクールで、でもレッスンやお仕事してる時は燃えてるんじゃないかっていうくらい熱い目をしてて。
 そんな凛ちゃんがCDデビューして、本格的に私の目標は凛ちゃんになった。
 いつかあの場所に立とう。凛ちゃんの隣に立とうって。そう、思ったの。」

ありがとう。
そう言って卯月は手をこっちに伸ばした。

「凛ちゃんがいたから私は頑張れた。
 『ニュージェネレーション』って呼んで貰えてるなら、それはきっと私が凛ちゃんを追いかけ続けてきた証だと思うから。
 だから、とっても嬉しい!」

ああ、うん。
もっと他に言葉はなかったのだろうか。
卯月の笑顔に目を奪われて、予想もしてなかった卯月の本心に心を奪われていた口下手な私はそんな言葉しか返すことができなかった。
でも、きっとこっちの思いも伝わっていたんだろう。卯月の笑顔が曇ることはなかった。
そんな卯月の笑顔に背中を押されるようにして、卯月の手を取る。
強く握り返された手を通して、私の心がどくんと揺れた。
その揺れに思わず私の口角が上がってしまう。
……柄にもなく、私、ワクワクしてる。
卯月と同じ呼び名を背負っていることに。
卯月が私を追いかけてきていることに。
だから、上がった口角はそのままにちょっと不敵に笑っているように見えるようにしてみよう。

「そう言ってくれるのは嬉しい。でも、そう簡単には追いつかせないから。」

卯月は一度驚くと、ちょっとだけ眉を上げて、でもさっきと同じ笑顔で私の言葉を受け止めてくれる。

「勿論。簡単には追いつかせないでね。でも、必ず隣に立ってみせるから。」

もう少し。
まだきっともう少し先の話。
でも、そう遠くない将来にきっと二人でステージに立つ時は来る。
その時はきっと見せられるだろう。
心を揺さぶる新しい世代の舞台が。
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